『あたらしい戦略の教科書』読了
良い本は、自らを映す鏡となる。
私は10年来の不安障害に加えて昨年初めにはうつ症状にも陥り、去年の今頃には会社を辞め、現在に至るまで無職で自宅療養中です。おまけに糖尿病まで抱えていて結構きつい状態です。それでも自宅療養を1年も続けていると自覚する程度にはうつ症状が改善してきたように思います。ハローワークにも通えるようになり、現在は失業給付金を受けています。
とは言え実際に職に就くとなると、経歴的にも不安傷害やうつによる自己理由退職や病気退職があるわけで、そういう人間を雇える職を探す必要があり、再び気分障害による退職を繰り返さないようにしなければなりません。あるいはいっそ何か自営業でも始めた方が良いのではないか。
就職するにせよ、自営業を始めるにしろ、今後の自分の人生に関して何らかの方針を立てなければなりません。しかしながら、自分の周囲には参考となるものが何もありませんでした。
自宅に篭もっていても特にすることもなくダラダラとネットサーフィンしている内にFirefoxのライブブックマークの数もどんどん増えていくのですが、小飼弾さんの『404 Blog Not Found』の『何があたらしいか? - 書評 - あたらしい戦略の教科書』というエントリーで酒井穣さんの『あたらしい戦略の教科書』が紹介されていました。そのエントリーを読んで、早速その本をAmazonで取り寄せました。どうにもうつ症状のため読み進めず、ようやく今日になって読み終えました。
読んでいて、自分の心が痛くなりました。読み進めるにつれどうにも、私の過去の失敗事例がどんどん頭に浮かんでくるのです。いやはや全く、あああの時こうしておけば良かったんだと思うこと数知れず。
私は物理学で修士課程を修了し、東京に本社のあるメーカーにエンジニアとして勤め、Uターン転職で地元に戻ってからは主にプログラマーをしていました。技術指向だったのでビジネス本は読んだことがありませんでした。けれどもどうしてプロジェクトリーダーの立ち位置に居ることになったり。あるいはプライベートではSFファンであることからSFイベントに関わることもあり、往々にして実行委員長を務めたことも有り。しかしながら、こういう系統だった戦略の立て方やその実践について今まで全く触れたことがありませんでした。こういうことを学んでいたらそれまでの失敗を回避出来たかもしれない。
いやいや。
沢山失敗したから、本書の内容が骨身に染みてきます。
目から鱗が落ちた気分です。
確かに本書は、プロジェクト・リーダーだけでなく、読書を限定していない、全ての人にお薦めです。
私が今後の人生において戦略を立て、実践していく上で、本書を何度も読み返し、参考にしていくことでしょう。
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コメント
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こんにちは。本書のお買い上げ、ありがとうございました。また、とても嬉しいコメントを、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、聞いてみれば当たり前と思えるような話も、意外と誰も教えてくれなかったりするものだと思います。そして非力ながら、僕は、今後もそうした点にフォーカスして執筆して行きたいと考えています。
今後とも、よろしくお願いします。
投稿: 酒井穣 | 2008年8月18日 (月) 00:33
酒井さま
こちらまでありがとうございます。
ホントに、意外と誰も教えてくれないものですね。痛感しました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
投稿: keitaro | 2008年8月18日 (月) 11:51